指紋が検出されなければ、採取・照合・鑑定ができないため、第一ステップとして検出作業を成功させることがとても需要となります。
しかし、条件によってその成功率が変わってきてしまうのも実情です。
ここでは、指紋の検出、採取を成功させるために、知っておきたい基礎情報をお伝えいたします。
「目次」
・指紋検出の成功率が高いもの
・指紋検出しにくいもの(あまり適さないもの)
指紋が検出できる主な要件は、次の3要素、9項目が密接に絡んでいます。
1.人的要素
①分泌物等の量と押圧力の程度
②対象者の個性と精神状態
③指紋鑑定基準と抽出者の技術水準・経験
2.物的要素
④印象物件の材質・新旧
⑤指紋検出方法の妥当性
⑥温冷・乾燥・明暗(季節と天気)による付着力の相違
3.事後的要素
⑦犯行手順過程に伴う水濡れ等の外的障害
⑧指紋隠滅工作、関係者・臨場者による人的破壊
⑨発生からの時間経過
この9項目をみたせば、かなり鮮明な指紋の検出に成功することができます。
しかし、どれかが不足していくと検出の成功率は下がっていくものです。
このように、指紋検出では、採取できる条件から、採取できない条件まで、かなり広い幅をもって現れる現象となります。
指紋検出のご依頼内容はさまざまです。
しかし、指紋検出しやすい(成功しやすい)材質があれば、あまり向いていない材質もあります。
ここからは、指紋検出に適したものと、あまり適さないものをご紹介します。
・コピー用紙、紙幣、封筒などの紙類
・コップなどのガラス製品
・表面に凸凹のない金属、プラスチック製品
・和紙や半紙等、表面がざらざらしている紙類
・革製品
・毛糸、目地の粗い布製品、洋服
・極端に接触面積の小さいもの
・日常的に接触人物が多いもの
盗難事件などでご依頼件数の多い「革製」のバッグや財布は、革製品自体に油・汚れがつきにくいような加工がされていたり、革と指紋成分が反応してしまい、劣化が激しいために指紋を検出する難易度が高くなります。
しかし、現在では技術の向上や、薬剤の改良により、指紋を検出することが難しいといわれていた材質であっても、検出可能になりました。
【参考情報】
指紋を採取する方法|指紋採取できるものとできないもの
指紋の検出を検討されているのでしたら、指紋が劣化してしまう原因を知っておくと、成功率を上げることができます。
指紋が劣化してしまう、代表的なものは以下となります。
・日光
・空気の対流
・時間の経過
・過度な温度差
・周辺との接触やこすれ
・付着物との化学反応
指紋の検出は、極力迅速に行うことが、成功率をあげるためのベストな方法といえます。
また、資料を保存する場合には、ほかの物体と接触しないよう固定して、冷暗所に保管しましょう。
弊社では、これまでさまざまな現場・検体からの指紋検出に成功してまいりました。
ここからは、その一例をご紹介いたします。
・婚姻届、離婚届
・偽造した、された遺言書、遺言状、遺産問題・相続鑑定
・契約書、委任状、金銭借用書
・会社、法人重要文書等からの指紋の検出
・公正証書(有印私文書偽造、有印公文書偽造鑑定)
【問題解決事例】
偽造されたかもしれない遺言書の筆跡鑑定と指紋鑑定
・誹謗中傷、怪文書
・嫌がらせ(いやがらせ、いじめ)
・脅迫文・脅迫状など
・犯人特定のための指紋検出
【問題解決事例】
企業へ届けられる怪文書、証拠をおさえて、犯人を特定したい
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怪文書の犯人とされた依頼者、自分自身の潔白を証明して反論したい
・企業不正、不正経理
・法人経理、小切手・請求書・領収書(領収証)・伝票・手形・紙幣など
・盗聴器、盗撮カメラからの指紋検出
【問題解決事例】
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・家庭内窃盗(財布や紙幣)
・家庭内盗聴や盗撮カメラ、GPS発信機からの指紋検出
【問題解決事例】
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※郵送やお持ち込みできない大きなものや、特定の場所からの指紋検出が必要な場合には、検出人を現場派遣させていただきますので、ご相談ください。
【参考情報】
指紋を照合する方法|検出、採取した指紋の照合方法
指紋は証拠になる?
指紋鑑定の依頼をすべきかどうか迷っている方へ
鑑定結果におけるお取り扱いについて
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