社内の女子トイレから盗撮カメラが発見された。
ウォシュレットの電源コンセントに、二股コンセントが差してあり、そこに黒色の四角い箱上のものが差さっているのを発見した女子従業員。
不自然に感じたため、不審に思い、上司にそのことを報告し、事件が発覚したものである。
当然、社内では大騒ぎとなり、数名の社員が盗撮カメラとは知らずに触ってしまったとのこと。
蓋を開けて見ると、基盤のようなものが入っていて、小さなレンズもあることが分った。
依頼者は、急遽、盗撮カメラの証拠保全を行い、弊社まで相談に訪れた。
盗撮カメラはビニール袋に保全してあったが、すでに複数人の指紋がついてしまい、証拠はかなり荒らされている状況であった。
そこで、盗撮カメラからの指紋検出と同時に、内臓されていたSDカードからも検出を行った。
また、証拠物件が荒らされていたこともあり、現場の女子トイレ回りからも指紋検出を行うこととした。
幸い、騒動の際に盗撮カメラの内部、SDカードまで触る者がいなかったため、そこから指紋検出ができれば犯人のものと断定できる。
SDカードからの指紋検出を行った結果、1個の部分指紋が検出された。
それは、ぎりぎり鑑定に耐えうる指紋であった。
女子トイレを利用する社員の指紋を提供してもらい、トイレ内から検出した指紋との照合を行ったが、関係者以外の指紋は確保できなかった。
後日、SDカードから検出した指紋のことは伏せ、騒動の際に触った男性社員を含む、複数人の関係者から指紋の提供をいただき、照合した結果、男性社員1名の指紋と合致した。
その人物は、女性社員が盗撮カメラを発見した騒動の時に、黒い箱の蓋を開けた人物であった。
おそらく、蓋を開けるときに、盗撮カメラに自分の指紋を付けておけば、犯人に特定されることはないと考えたのかもしれない。
盗聴や盗撮は卑劣であり、絶対に許されない行為である。
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