都内某所の閑静な住宅地に完成間際の建築中の戸建て住宅がある。
施主は完成間際の新居を見るため、早朝から出かけるのが最近の日課となっていた。
そんなある日、事件は発生した。
某住宅販売会社の販売社員から、当社へ1本の電話が入る。
相談内容は、「家の窓が10cm程開いており、誰か進入した形跡がある」と施主から言われたとのこと。
販売担当者は、慌てて原因究明をしたいとのことであった。
施工業者が工事のあと、窓の閉め忘れをした可能性もあるが、施主に対して納得のいく説明をしなくてはならない。
状況としては、部屋は荒らされた様子はなく、完成引渡し間際の清掃後ということもあり、指紋の数も限定的と判断できた。
当社は、直ちに、指紋検出人、鑑識チームを現場へ派遣し、現場の保全と、指紋照合のための採取作業に取り掛かった。
また、それと平行して、施主を含め、販売会社の担当者、ならびに工事関係者の指紋を提供してもらうこととした。
検出結果は、アルミサッシおよび窓ガラスから、7個の指紋が検出された。
それらを施主を含め、関係者の指紋と照合した結果、施主のものと、工事関係者2名の指紋と全て合致した。
7個すべての指紋の特定ができたことから、部外者の指紋は認められなかった。
犯人が手袋をして侵入したケースも排除できないが、実害がないことから、施工業者が工事後の閉め忘れということで、この件は落ち着いた。
後日談にはなるが、無事に家の引き渡しも済み、施主も大変満足しているとのこと。
販売会社の担当者は、まさかのトラブルがあったものの、施主の不安を少しでも払拭できるよう真摯に対応できてよかったと胸を撫で下ろしていた。
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